「プライムたちの夜」観劇

「プライムたちの夜」 作:ジョーダン・ハリソン翻訳:常田景子演出:宮田慶子 美術:横田あつみ照明:中川隆一音響:上田好生衣裳:半田悦子ヘアメイク:宮内宏明演出助手:金澤菜乃英舞台監督:澁谷壽久 芸術監督:宮田慶子主催:文化庁芸術祭執行委員会/新国立劇場 出演は、浅丘ルリ子、香寿たつき、佐川和正、相島一之。これだけで、「行くでしょ」となる、すごいメンバー で、内容は…というと、近未来的な物語。「プライム」というのは、AI(人工知能)を搭載したアンドロイドのことらしい。 最初、85歳で認知症気味のマージョリー(浅丘)の話し相手的ポジションとして、不思議な男(佐川)が登場する。動きは不自然ではないのだが、どことなく人間離れしている。たぶん、視線が微妙に違うのかな。話が進むうちに、だんだんと、この男がプライムであり、その姿はマージョリーの亡夫・ウォルターの若い頃の姿であることが分かってくる。マージョリーのもとを訪れる人間は、一人娘のテス(香寿)と、その夫、ジョン(相島)。この二人がマージョリーのために、ウォルターの姿をしたプライムの導入を決めたのだ。 そして、ここからがこの作品の真骨頂なのだが、場が変わるごとに、マージョリーが死んで、彼女のプライムが登場する⇒テスが死んで彼女のプライムが登場する…と人間が減って、プライムが増えていく。最後に、ジョンは居なくなっていて、三人のプライムたちが不毛な会話を永遠に続けていく場面は、鳥肌が立つような空間だった。 基本的には、4人の役者がいて、最初は3…

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