箙さま退団発表!

専科 退団者のお知らせ 2017/12/11 下記の生徒の退団発表がありましたのでお知らせいたします。    専科 箙 かおる 2017年12月14日(『箙かおるサロンコンサート』開催日)付で退団 チャルさんは、私が宝塚に戻ってきた平成2年当時、雪組の男役でした。「天守に花匂い立つ」で、主人公のお父さんの役を演じていて、他組のトップさんより下級生(当時、花組の大浦みずき、月組の剣幸がチャルさんより上級生で、トップさんだった。)なのに、風格あるなぁ~なんて思ったのが最初だったかな。印象に残っている役は、「送られなかった手紙」のダンテス役かな。主人公(壮一帆)の恋敵役に気がついたらなっていて、これ下手したら2番手じゃないみたいな。あとは、「王家に捧ぐ歌」のファラオ役。全身のキンキラキンは、初演も再演もすごかった。「鳳凰伝」の王様も、さすがの貫録で、素晴らしかった。 長い間、たくさんの思い出をありがとうございました。 ちなみに、チャルさん、実は、新公主演されているんですよね。

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ショー「Bouquet de TAKARAZUKA」感想

タカラヅカレビュー90周年「Bouquet de Takarazuka(ブーケ ド タカラヅカ)」 作・演出:酒井澄夫作曲・編曲:吉田優子、鞍富真一、竹内一宏、青木朝子音楽指揮:御崎惠振付:名倉加代子、若央りさ、AYAKO、鳥居かほり装置:新宮有紀衣装:有村淳照明:笠原俊幸音響:実吉英一小道具:増田恭兵歌唱指導:ちあきしんイラストレーション:永田萌演出助手:谷貴矢衣装補:加藤真美舞台進行:久松万奈美、香取克英 第1~3場 プロローグブランコからトップスターが降りてくるという典型的なレビューっぽいプロローグで始まるが、結構、攻めの内容で、すみおちゃん、まだまだ進化しようとしてるのね、と思うショーだった。 プロローグは、男役も娘役も、落ち着いた色味のパステルカラーの衣装に花がたっぷりと付いている。娘役の衣装に花やリボンが付いているのは珍しくないが、男役の衣装にも付いているのは、かなり珍しい。そもそも男役がベージュ系の衣装でプロローグというのも相当珍しい。しかし、いやな感じはしなくて、懐かしさと優しさが沁みわたる、素敵なプロローグだった。 第4・5場 恋の花咲く道続く場面は、礼真琴を中心とする一景。 若者(礼)が銀橋を渡りながら一曲。その歌声が素晴らしい。男役の声を封じることで、若さの表現になる。それでいて、若さ=溌剌みたいなステレオタイプではなく、夢見る青年的雰囲気が出ている一曲。彼はそこで、蝶や花と仲良くなり、一人の少女(天彩峰里)と出会い、また旅立つ。ここで彼が歌う曲と対話するように演奏され…

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宝塚星組東京公演「ベルリン、わが愛」観劇

ミュージカル「ベルリン、わが愛」 作・演出:原田諒作曲・編曲:玉麻尚一音楽指揮:清川知己振付:麻咲梨乃、AYAKO装置:松井るみ衣装:有村淳照明:勝柴次朗音響:大坪正仁小道具:三好佑磨歌唱指導:山口正義映像:栗山聡之演出助手:栗田優香衣装補:加藤真美舞台進行:久松万奈美、香取克英協力:株式会社シネヴィス 夜野の天敵、原田先生の作品。今回もナチスの無神経な使い方や、歴史を結果からしか見ない中二脳に怒り心頭どうして評判のよかったショー作家に転身しないのか、ほんと、迷惑この上ない。 初っ端、ドイツの映画会社UFA(ウーファ)の超大作『メトロポリス』(1927)の映像が流れる。…1927年と聞いただけで気分が悪くなる(「華やかなりし日々」の舞台は1927年のNY。)この映画、100年後の未来を舞台にしたディストピア映画で、この製作費が原因でUFAが倒産したと噂される超大作。(ただ、史実としては、ドイツより前にアメリカでも公開されているし、必ずしも失敗作と認定されているわけではないようだ。)一応、この舞台では、この映画を“金食い虫の失敗作”と認定しているようだ。でも…映画のフィルムまで借りておいて、ずいぶん失礼な話だDisるんなら、架空の映画でも、架空の映画会社でもよくない その映画の監督フリッツ・ラングをはじめとして、作家エーリッヒ・ケストナー、後のナチス宣伝相ゲッペルス、ジョセフィン・ベイカーなど著名人も多数登場するこの作品だが、その人を使う理由…あるくらいの薄さだったりする。この辺りは原田先生…

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「RACE」観劇

Rising Tiptoe#23「RACE」 作・演出・デザイン:宇吹萌 照明:勅使河原明子音響:大石和洋舞台監督:服部寛隆美術:宇吹萌制作:Rising Tiptoe制作協力:廣井大輔協力:龍前正夫舞台照明研究所、藍アキラ 元宝塚の汐美真帆が下北沢のスズナリで主演する…この魅力的なニュースに、慌ててチケットを取り、観に行った。 これまでずっとスズナリには縁がなかったが、2017年、いきなり2作品を観ることになろうとは(一度目は、夏に新井浩文さん出演の「鳥の名前」で。この時も2回観たので、都合4回行ってしまった) Rising Tiptoe公演は、1年前にやはり汐美主演の「THE BITCH」を観ていて、面白い脚本だな~と思っていた。今回の作品は、主演の汐美へのアテ書き作品。さて、どんな舞台になるのか、とワクワクドキドキ劇場に向かった。 タイトルの「RACE」は、競走・競争・人類・人種・品種・水流・急流・水路・鼓動・人生行路・時の経過・仲間・同類・子孫・寿命・ワインの風味みたいな意味があるんだとか。ヒロインのケイ(汐美真帆)は、どうやら、オリンピックのマラソン金メダリストという経歴を持っているらしい。今は、引退して、田舎のリゾートホテルに宿泊している。そのリゾートホテルは、ケイにとって癒しの空間であり、結果を考えずに湖畔を走る時間は至福の時だった。そのリゾートホテルに、どこかの大学の競走部の学生が逗留し、トレーニングをしている。この中からテストで一名が実業団入りできるとか。彼らは友人で…

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「終わらない世界」観劇

「終わらない世界」 作:益山貴司(劇団子供鉅人)演出:吹原幸太(ポップンマッシュルームチキン野郎) 舞台監督:白石定照明:Jimmy音響:島貫聡美術:稲田美智子振付:椎田香王子音楽:ナカムラタカノリ衣装:オガロコヘアメイク:三宅早月演出助手:朝田博美宣伝美術:清水皓之宣伝写真:梅沢香織宣伝ヘアメイク:大宝みゆき当日運営:大槻志保、須藤千代子制作:ジェットラグプロデューサー:阿部敏信企画・製作:ジェットラグ 小惑星が衝突して「世界の終わり」が訪れるという日、大女優・七瀬ミワコ(大和悠河)のカムバック公演が行われる劇場には、本人のミワコと、スタッフの青年(百名ヒロキ)の二人だけがスタンバイしていた。その他の出演者やスタッフは、それぞれの場所で、それぞれの形で人生の終わりを迎える覚悟をしていた。家族水入らずで過ごそうとする者、二人の美女を相手に酒池肉林としゃれこもうとする者、自分だけは生き残ろうと強い意志で行動する者…しかし…世界は終わらなかった。小惑星の衝突は回避されたのだった。みんなよかったねーというわけにはいかない。死ぬと思い込んで「やらかしてしまった」さっきまでのあれこれは、もう「なかったこと」にはできない。生き続けられるとわかっていれば、あんなことしなかったのに…そして、人々は、行くべき場所を目指す。そうだ、今日は公演があったんだよと。「世界の終わり」の前後での人々のあさましいエピソードと、そんなものを超越しているミワコの物語が交錯し、出演者やスタッフの現実の物語と劇中劇が錯綜して、面白…

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雪組振り分け発表!

現在上演中の大劇場公演、その東京公演終了後の雪組の振り分けが発表された。バウホールの方は、ヒロインまで発表されていたので、あ、振り分けまだでしたか…という感じなのですが、まずは、トップコンビが出演する全国ツアー公演「誠の群像/SUPER VOYAGER!」の出演者です。 (雪組)奏乃 はると、早花 まこ、望海 風斗、沙月 愛奈、千風 カレン、透真 かずき、彩凪 翔、笙乃 茅桜、彩風 咲奈、煌羽 レオ、杏野 このみ、愛 すみれ、桜路 薫、天月 翼、朝月 希和、妃華 ゆきの、真地 佑果、華蓮 エミリ、綾 凰華、真彩 希帆、叶海 世奈、鳳華 はるな、彩 みちる、眞ノ宮 るい、美華 もなみ、彩海 せら、有栖 妃華、一禾 あお、潤 花、稀羽 りんと、天咲 礼愛、壮海 はるま、聖海 由侑、莉奈 くるみ (専科)夏美 よう はっちさんは、21年前と同じ役を演じることになるのかな。どなたがはっちさんの相手役となるのか、楽しみすぎますまた、初演は、2番手の稔幸が、山南敬助と榎本武揚の二役を演じたのですが、咲ちゃんが二役となるのか、その辺も気になるところですね 一方、朝美絢主演のバウホール公演「義経妖狐夢幻桜」の出演者はこちら。 (雪組)梨花 ますみ、舞咲 りん、真那 春人、久城 あす、朝美 絢、白峰 ゆり、橘 幸、永久輝 せあ、沙羅 アンナ、叶 ゆうり、星南 のぞみ、諏訪 さき、陽向 春輝、野々花 ひまり、羽織 夕夏、希良々 うみ、ゆめ 真音、星加 梨杏、汐聖 風美、縣 千、琴羽 りり、日和 春磨、優美 …

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花組博多座公演主な配役&役替り発表!

花組博多座公演『あかねさす紫の花』主な配役と役替わりについて 2017/12/05 花組博多座公演『あかねさす紫の花』(2018年5月4日~5月26日)の主な配役と役替わり日程が決定いたしましたので、お知らせいたします。 役替わり【A】 大海人皇子… 明日海 りお/天比古… 柚香 光/中大兄皇子… 鳳月 杏(5/4~15) 役替わり【B】 中大兄皇子… 明日海 りお/大海人皇子… 柚香 光/天比古… 鳳月 杏 (5/16~26) 主な配役 大海人皇子&中大兄皇子… 明日海 りお 額田女王… 仙名 彩世 天比古&大海人皇子… 柚香 光 中臣鎌足… 瀬戸 かずや 中大兄皇子&天比古… 鳳月 杏 これは大変なことになっちゃった2002年に一度だけ、中大兄皇子が主役のバージョンが上演されている。でもなんか変だった。そもそも初演はW主演だし、その続演以降は大海人皇子が主演だった。心情的には、大海人が主役の物語だし。それを敢えて役替りまでして、中大兄皇子を明日海りおが演じる。どういうことだろう大海人を演じるだけなら、当たり前で、もっと先を見ているのだろうかでも、W主演というくらいどっちも出番が多いのに、両方やるの大丈夫 みりおくんの細い身体に一抹の不安を感じつつも、ちなつちゃんにとっては、これは一世一代のチャンス全国ツアーで中大兄皇子を演じた人のファンとして、期待しちゃってます

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キャトルレーヴ名古屋 閉店決定!

中日劇場のある中日ビルの3F、キャトルレーヴ名古屋店は、来年3/25をもって営業を終了するそうです。 中日ビルの建替えに伴い、中日劇場は閉館、名古屋地区における宝塚の長期公演が今後行われるのか、まだまだ不確定要素の大きいこの時期に、先に撤退を発表しちゃうのかよ…という感じ。別の場所で営業するなら「移転」だもんね。「閉店」は重いまあ、たしかに、今はネットでも商品を購入できるけど、キャトルの商品は一部ネット購入できないものがあるんだよね今後は、全国のファンができるだけ同条件で商品を購入できるようなシステムの構築を期待したい。 宜しく頼みます

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「プライムたちの夜」観劇

「プライムたちの夜」 作:ジョーダン・ハリソン翻訳:常田景子演出:宮田慶子 美術:横田あつみ照明:中川隆一音響:上田好生衣裳:半田悦子ヘアメイク:宮内宏明演出助手:金澤菜乃英舞台監督:澁谷壽久 芸術監督:宮田慶子主催:文化庁芸術祭執行委員会/新国立劇場 出演は、浅丘ルリ子、香寿たつき、佐川和正、相島一之。これだけで、「行くでしょ」となる、すごいメンバー で、内容は…というと、近未来的な物語。「プライム」というのは、AI(人工知能)を搭載したアンドロイドのことらしい。 最初、85歳で認知症気味のマージョリー(浅丘)の話し相手的ポジションとして、不思議な男(佐川)が登場する。動きは不自然ではないのだが、どことなく人間離れしている。たぶん、視線が微妙に違うのかな。話が進むうちに、だんだんと、この男がプライムであり、その姿はマージョリーの亡夫・ウォルターの若い頃の姿であることが分かってくる。マージョリーのもとを訪れる人間は、一人娘のテス(香寿)と、その夫、ジョン(相島)。この二人がマージョリーのために、ウォルターの姿をしたプライムの導入を決めたのだ。 そして、ここからがこの作品の真骨頂なのだが、場が変わるごとに、マージョリーが死んで、彼女のプライムが登場する⇒テスが死んで彼女のプライムが登場する…と人間が減って、プライムが増えていく。最後に、ジョンは居なくなっていて、三人のプライムたちが不毛な会話を永遠に続けていく場面は、鳥肌が立つような空間だった。 基本的には、4人の役者がいて、最初は3…

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宝塚専科バウホール公演「神家の七人」観劇

ミュージカル「神家の七人」 作・演出:齋藤吉正作曲・編曲:手島恭子振付:若央りさ、百花沙里装置:稲生英介衣装:加藤真美照明:佐渡孝治音響:山本浩一小道具:下農直幸歌唱指導:山口正義パペット製作:清水千華演出助手:谷貴矢舞台進行:表原渉舞台美術製作:株式会社宝塚舞台演奏:宝塚ニューサウンズ制作:渡辺裕制作補:松倉靖恵制作・著作:宝塚歌劇団主旨:阪急電鉄株式会社 久々の専科バウ公演。前回も良かったので、今回も期待いっぱいで、行ってきた。 タイトルが「神家の七人」なので、西部劇の「荒野の七人」のストーリーを下敷きにするのかな…と思っていたら、全然そんなことはなく、戦争から帰ってきたギャングの息子が、一家を廃業して幹部たちと一緒に神父になる修行をするという荒唐無稽な物語だった。そして、観終ると、荒唐無稽にもかかわらず、なんだかほっこりしてしまう…そんな素敵な舞台だったし、専科生に囲まれた月組生の頑張りに胸が熱くなる公演だった。 第二次世界大戦後のアメリカ、ボルチモアが舞台。全編を、DJ(早乙女わかば)がリクエスト曲を届けるラジオ番組を背景に進めていく。芝居の中のナンバーも、リクエスト曲のように紹介されたり、DJを介すことで、全体がひとつの劇中劇のような、フィクション感が増すため、荒唐無稽な物語が、より受け入れられるような下地になっている。 第二次世界大戦の欧州戦線で戦ったイヴァン・ターナー(轟悠)が帰国した日、それは、父である、マフィア企業の社長、ウィリアム・ターナー(華形ひかる)の葬儀の日だっ…

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