「24番地の桜の園」観劇

「24番地の桜の園」 作:アントン・チェーホフ翻訳・脚色:木内宏昌演出・脚色・美術:串田和美 照明:齋藤茂男音楽:太田恵資音響:市来邦比古衣裳デザイン:太田雅公ヘアメイク:佐藤裕子振付:黒田育世映像:栗山聡之衣裳進行:中野かおる美術助手:原田愛演出助手:片岡正二郎技術監督:櫻綴舞台監督:横沢紅太郎、二瓶剛雄 24番地とは、東急Bunkamuraの住所らしい。おそらく「24番地」を付けることで、この公演のための、この出演者のための新しい「桜の園」だよ、と言いたかったのかな…と思った。 「桜の園」自体は、我が家にチェーホフの全集があったので、読んでいたのだが、今回の演出(串田和美)は、かなり異質。なんとも説明しがたい不思議な作品に仕上がっていた。主演は、高橋克典らしい。高橋は、“桜の園”の農奴の息子だが、成功し、没落したラネーフスカヤ夫人が競売にかけた“桜の園”を競り落とすロパーヒン役。演劇公演の“主演”は、様々な力関係で決定し、作品の主役が“主演”になるとは限らないとはいえ、ロパーヒンが主演なのかとは、思った、さすがに。大地主がたくさんの農奴を抱えて広大な領地を運営するという『時代』の終焉を、滅びゆく貴族側から描いた芝居を、新興勢力のロパーヒン主演でねぇ~ちなみに、ラネーフスカヤ夫人役は、小林聡美。滅びゆく貴族を象徴するような居方をしていないのは、演出指示かな。でも、存在感はさすがだった。その兄、ガーエフを風間杜夫。途中、三輪車に乘るシーンがあったりして、度胆を抜かれたが、「桜の園」の世界観…

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