「ペコロスの母に会いに行く」観劇

「ペコロスの母に会いに行く」 原作:岡野雄一(西日本新聞社刊)脚本:道又力演出:喰始 美術:倉本政典照明:須賀智己音楽:吉田さとる音響・効果:秦大介舞台監督:赤塚幸信振付:菅原鷹志方言指導:省吾衣裳協力:ワハハ本舗小道具:藤浪小道具床山:山田かつら衣裳:東京衣裳以前、長崎を舞台にした心温まるマンガだよ、と友人に教えてもらい、ちょうど母の認知症に直面していた時期だったので、すぐに購入、とても勇気づけられた記憶がある。岡野雄一さんという、長崎在住の漫画家の描く「母の認知症」との格闘劇は、とてもやさしくてユーモラスで、“認知症”を肯定しつつ描いているところに著者の人柄が見える感じがして、読んで本当によかったと思っている。舞台化されていたことは知らなくて、今回、ケロさんこと汐美真帆さんが出演されると聞いて、初めて観劇した。岡野ユウイチ(田村亮)は、母・ミツエ(藤田弓子)から呼び出され、実家に戻る。すると、近所の三浦悦子(西川鯉娘)とその娘の春子(鈴木千琴)から、再婚のお祝いを言われて面食らう。友人の小林健司(酒井敏也)と新妻・紀子(汐美真帆)は、父・サトルの13回忌と聞いてきたらしく喪服姿。もう一人の友人、清水芳夫(佐藤正宏)は、ユウイチが警察から表彰されたと言い出す。健司の父・甚衛門(外山高士)は、ミツエが引っ越すと聞いて一升瓶を持ってやってくる。そこに、孫(ユウイチの息子)のマサキ(室龍規)まで、ユウイチが昇進したと聞いて東京から祝いに帰ってくる。すべて、ミツエが知らせたのだった。おおぜいの人に囲…

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