宝塚宙組東京公演「神々の土地」観劇

ミュージカル・プレイ「神々の土地~ロマノフたちの黄昏~」 作・演出:上田久美子作曲・編曲:青木朝子、高橋恵指揮:塩田明弘振付:前田清実、桜木涼介、鈴懸三由岐擬闘:栗原直樹装置:新宮有紀衣装:有村淳照明:勝柴次朗音響:実吉英一小道具:下農直幸歌唱指導:KIKO演出助手:町田菜花衣装補:加藤真美舞台進行:政村雄祐 朝夏まなとサヨナラ公演となる宙組東京公演を観劇した。 今年2017年はロシア革命勃発から百年目の年に当たる。そんなこともあって…なのか、ロマノフ王朝の落日を描いた作品が登場した。いつもの大劇場のお芝居同様、1時間35分の上演時間。でも、どっぷり3時間の舞台を観るような重さがある。その重さこそが、ロシアの空気の重さなのか、上田先生の作品が持つ重さなのか…たぶん両方でも、とてもよい作品だった。 この公演で、朝夏まなとと一緒に4人の娘役が退団する。93期の瀬音リサ、95期の彩花まり、涼華まや、伶美うらら。キラキラの麗しき娘役たちが、それぞれの居場所で美しく咲いていて、さらに次期トップ娘役就任が決まっている100期の星風まどかや、今回は女役に起用された組長の寿つかさ、92期の凛城きらも大活躍、さながら女たちの物語にもなっている。中でも、劇中のヒロインを演じる伶美の集大成的演技には、ついついオペラを向けることが多く、まぁくんのサヨナラ公演なのに…という事態にすら陥っている。でもしょうがない。だって、うらら嬢もサヨナラなんだから。 ロマノフ王家の一族でありながら、ラスプーチン暗殺に加わったドミ…

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