腹筋の謎

スポーツクラブでパーソナルトレーニングを始めたのは、ヨガに行き詰まったのがスタートだった。その後、欧米発のヨガはやめてしまい、今は、健康ヨガみたいなものになったので、パーソナルのストレッチは、可動域を広げるというよりは、スポーツマッサージ的なものになっていた。で、この8月から、諸事情により、ストレッチに替えて筋トレをやっている。筋トレの中には「腹筋」というのもある。もちろん。そこで、最近疑惑が生じているのだが、私には腹筋がないのかもしれない…ということ。 いや、あるには決まっているのだが、ほとんど使われていなかったとしか思えないのだ。ちょっとした動きをしただけで、腹筋がけいれんを起こしてしまい、トレーナーに心配される始末…日ごろ、腹筋なしでどうやって生活しているのか…自分の身体ながら、謎が深まるばかりだ。

続きを読む

推しの舞台俳優が結婚するということ

今年、いわゆる【推し】の舞台俳優が結婚する、という事態に遭遇した。 【推し】といっても、ガチ恋(芸能人相手に本気で恋をすること)状態で応援したことはない。もはや、未婚の舞台俳優のほとんどは、私のはるか年下になっているし、てか、そもそも【推し】が複数いる時点でガチ恋じゃないし。 それでも、その【推し】が結婚したことで、当方のスタンスは変わった。 つまり、観劇回数が減ったのだ。 同じ公演を複数ポチらなくなった。再演は、もう一度観たい作品に絞られるだろうし、脚本・演出・公演地によっては、「行かない」という選択肢もあり得る。 で、私は、自分の中でのこの変化が不思議だった。ガチ恋じゃない…てか、そもそもオフにはまったく興味がないのに。 結婚の発表自体は驚いたが、ショックではなかった。でも、観劇意欲が落ちたのは、結婚の発表がキッカケだった。 これって面白い心理だな…と思った。それで、考察してみた。どうして、観劇意欲が落ちたのか…と。 それで、いろいろ考えた末に、「結婚を発表する」ことは、若手俳優にとっての独立宣言のようなものなのだな…と思い至った。 それまでは、この世界で生きていくために、「自分の出ている舞台を何度でも観に来てほしい。それだけ集客力のある俳優だと認識されたい。そのためならファンサービスもするし、独身であることをウリにもする」というスタンスでやっていたのが、ファンに対して、「これからは芸だけで勝負します」と宣言することが、「結婚の発表」なのだと。 それに対して、「それならこちらも、…

続きを読む

星組振り分け発表

現在上演中の大劇場公演終了後、来年上演される各公演への振り分けが発表された。 まず、トップコンビが出演する最後の中日劇場公演「うたかたの恋/Bouquet de TAKARAZUKA」の出演者は以下の通り。 (星組)万里 柚美、紅 ゆずる、七海 ひろき、如月 蓮、音波 みのり、大輝 真琴、紫月 音寧、夢妃 杏瑠、十碧 れいや、漣 レイラ、ひろ香 祐、綺咲 愛里、紫藤 りゅう、拓斗 れい、桃堂 純、華鳥 礼良、彩葉 玲央、澪乃 桜季、湊 璃飛、華雪 りら、七星 美妃、桜里 まお、隼 玲央、希沙 薫、極美 慎、きらり 杏、煌 えりせ、蓮月 りらん、碧海 さりお、草薙 稀月、星蘭 ひとみ、咲城 けい、紅咲 梨乃、奏碧 タケル、水乃 ゆり、鳳真 斗愛、瑠璃 花夏、侑蘭 粋、孔雅 といろ(専科)凪七 瑠海 配役も発表になっていますが、ま、そりゃそうだろう…という部分だけですね。 <主な配役>ルドルフ… 紅 ゆずる マリー・ヴェッツェラ… 綺咲 愛里 専科のカチャがご出演ということは、ジャン・サルバドル=カチャということかな。とすると、かいちゃんは、何の役なのかしら 続いて、専科の轟悠主演のDC&ACT公演「ドクトル・ジバゴ」の出演者と主な配役は、以下の通り。 (専科)轟 悠 (星組)白妙 なつ、天寿 光希、輝咲 玲央、瀬稀 ゆりと、麻央 侑希、紫 りら、瀬央 ゆりあ、白鳥 ゆりや、朝水 りょう、有沙 瞳、天華 えま、天希 ほまれ、天路 そら、小桜 ほのか、蒼舞 咲歩、朱紫 令真、颯香 凜、夕…

続きを読む

茨城マルシェ

一度行ってみたいと思っていた「茨城マルシェ」に行ってきました。 マロニエゲートのある外堀通りを東京方向に向かって進み、高速道路の真下にある、茨城県のアンテナショップに併設しているお店。念願かなって、行ってまいりました。 料理も茨城県産のものを使っていて、とても美味しかった。そして、酒飲みの私には、茨城県のお酒をしっかりと出してくれたのが、嬉しい。さすが、アンテナショップのレストラン。 特に今は、季節がら、この日本酒ひやおろし飲み比べセット(1000円)がおススメです。

続きを読む

「はいからさんが通る」感想 その2

「はいからさんが通る」、全体感想はこちらです。では、個々の出演者への感想とともに、各論にまいります。 柚香光(伊集院忍)…伊集院少尉は、日独のハーフ、という設定。見事なウェーブのかかった長めの金髪で、陸軍少尉。つまり、カーキ色のあまりスマートとはいえない陸軍の軍服と少女マンガ王道の容姿というミスマッチの魅力が、このキャラクターの大きな特色でもある。物語の途中で、行方不明になり、戦死したと思われていたが、ロシア亡命貴族サーシャ・ミハイロフとして再登場する。その間、主役でありながら(原作の主人公ではないため)舞台に登場しない時間があったものの、それを感じさせない圧倒的な主役感は、柚香のスター性によるものだろう。あまり、本音的な部分を見せない少尉だが、紅緒を助けようとして必死になるところや、笑い上戸な部分をうまく利用して、少尉らしさをしっかりと表現していた。陸軍の軍服がステキに見えるのは、宝塚七不思議のひとつかもしれない。余談ながら、公家っぽい響きの「伊集院」は、薩摩の地名に由来する、武家の苗字なんですね。この名を筆名や芸名に使っている方が、名前を一文字にしているのは、「伊集院忍」の影響ではと、私は疑っているのですが…(笑) 華優希(花村紅緒)…それぞれの祖父母の悲恋ゆえに、生まれた時から忍の婚約者になっていた、という娘。正義感が強く、独立心に溢れているが、かなりガサツで「女らしく」ない。大正時代の和洋折衷な髪形は、娘役の美貌を半減させる…というのは、「春の雪」の時も痛感したけれど、今回も、ビジュア…

続きを読む

宝塚歌劇花組東京特別公演「はいからさんが通る」観劇

「はいからさんが通る」 原作:大和和紀脚本・演出:小柳奈穂子作曲・編曲:手島恭子作曲・編曲・録音:藤間仁(Elements Garden)振付:御織ゆみ乃、若央りさ、AYAKO殺陣:清家三彦装置:稲生英介衣装:加藤真美照明:佐渡孝治音響:大坪正仁小道具:市川ふみ映像:奥秀太郎歌唱指導:彩華千鶴特殊メイク:馮啓孝演出助手:熊倉飛鳥舞台進行:荒川陽平舞台美術製作:株式会社宝塚舞台録音演奏:宝塚ニューサウンズ制作:井場睦之制作補:恵美和弘制作・著作:宝塚歌劇団 2.5次元舞台-最近、演劇のひとつのジャンルとして確立し、“2.5”を縮めて、“てんご”という略称まで生まれているのだとか。2.5次元の舞台と、一般の演劇の間に壁があるということはなく、双方に出演している俳優も数多くいるのだが、マンガやアニメ、ゲームなど、二次元の作品を舞台化し、特に登場人物のビジュアルを三次元で表現する、というその特徴により、イケメン…というか、少女マンガ的容姿の俳優が多い。 つまり、宝塚も本気を出したら、すぐに、2.5参入ができるわけで、過去に、これはもう2.5なのではという舞台も数々成功させている。そして、今回の「はいからさんが通る」もまた、本気で2.5次元にチャレンジしたな、と思える舞台だった。 とはいえ、原作マンガ「はいからさんが通る」は、宝塚初の2.5次元作品(当時はそんな呼び方はしていなかったが)「ベルサイユのばら」と同時期に連載されていた古いマンガだったりする。私も中学校の頃に単行本を回し読みして、特に冗談…

続きを読む

ミュージカル「レディ・ベス」観劇

ミュージカル「レディ・ベス」 脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ 音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ 演出・訳詞・修辞:小池修一郎 翻訳:薛 珠麗 音楽監督:甲斐正人 振付:桜木涼介 歌唱指導:山口正義、やまぐちあきこ 美術:二村周作照明:笠原俊幸 音響:山本浩一 映像:奥 秀太郎 衣裳:生澤美子 ヘアメイク:富岡克之(スタジオAD) 指揮:上垣 聡 オーケストラ:東宝ミュージック、ダット・ミュージック 演出助手:小川美也子、末永陽一 舞台監督:廣田 進 プロダクション・コーディネーター:小熊節子 プロデューサー:岡本義次、服部優希、篠﨑勇己 初演は観ていなくて、今回が初めての「レディ・ベス」。主人公は、英国女王エリザベス1世。ただし、この物語は彼女の即位で終わる。なので、エリザベス1世が主人公というのは半分正しくない。さて、エリザベス(愛称ベス)は、ヘンリー8世の次女なわけだが、プリンセス・エリザベスではなく、レディ・ベスと呼ばれている…というところが、このミュージカルの背景のポイントになる。あんまり詳しく説明されていないが、ヘンリー8世の最初の妻は、スペイン王女で、そもそもはヘンリーの兄・アーサー(皇太子で夭折)の妻だった。ローマ教皇庁は、「兄の妻を娶る」ことを認めていない。どうやら聖書で禁じられているらしい。が、スペインとイングランドの関係を維持するため、特別に許可を得た上でヘンリーは兄嫁と夫婦になった。が、ヘンリーは、この最初の妻を愛していなかったようだ。そして、後継者としての男子が…

続きを読む

「ハンナのお花屋さん」感想 その2

全体の感想はこちらです。 今回の公演、とても登場人物が多くて、特に若手にとってはいい勉強になったと思う。最近、あまり、出演者感想を書いていなかったが、今回の花組別箱公演はいろいろ感じたことがあるので、登場人物と出演者について書いてみようと思う。 明日海りお(クリス・ヨハンソン)…ロンドン在住の新進気鋭のフラワーアーティスト。デンマーク出身。“ハンナズ・フローリスト”という店の店主で、社長。店の2階に住んでいる。34歳独身、彼女なし。宝塚歌劇のトップスターが演じる年齢層は幅が広い。明日海も次回大劇場公演では「少年」役を演じる。原作通りの14歳ではないようだが。にしても、研2で『THE LAST PARTY』に出演し、鮮烈な印象を残した明日海が、34歳という役を普通に演じる時が来たのか…というのは、自分の中で驚きだった。あれは13年も昔なのか。すごく色々なものを抱えている人のはずなのに、どこまでも爽やかで、好青年。そして、世界のみんなの幸せのために生きているようなところがある。それは、私の中の明日海りおのイメージに重なる。13年前に彼が投げたフットボールがゆうひさんスコットの胸に届いた時からずっと。クリスは、フェアトレード商品を扱う仕事を今後進めることになるが、そういうところもイメージ通り。そのわりに優等生風ではなくて、天才にありがちな、自分の得意な分野以外はからっきしなキャラクターも可愛い。まさにアテ書きの勝利ステキでした 仙名彩世(ミア・ペルコヴィッチ)…クロアチア出身。ロンドンでの生活を始…

続きを読む

宝塚歌劇花組東京特別公演「ハンナのお花屋さん」観劇

Musical「ハンナのお花屋さん」 作・演出:植田景子作曲・編曲:斉藤恒芳、瓜生明希葉編曲:植田浩徳振付:大石裕香振付・映像監修:菅沼伊万里振付:鈴懸三由岐装置:松井るみ衣装:有村淳照明:勝柴次朗音響:大坪正仁小道具:加藤侑子映像:maruda歌唱指導:ちあきしん演出助手:竹田悠一郎衣装補:加藤真美舞台進行:宮脇学舞台美術製作:株式会社宝塚舞台演奏:宝塚ニューサウンズ 普通、トップと2番手は、親友とか敵とか、とにかく、同じ空間にいて、互いに台詞の応酬があってドラマが進むものだ。それを敢えて父と子に設定し、同じ次元でまみえさせない(別々の時代の物語をテレコで走らせる)作りは、「落陽のパレルモ」でも試されていて、思えばその時も、2番手彩吹真央の組替えが決まっていたなぁ~と思い出す。良くも悪くも、景子先生は、今ある並びへの惜別ではなく、今後の体制を見据えた作品作りをしているのかも。 実際、明日海りおと芹香斗亜は、ふたつの物語のそれぞれの主役だったので、W主演と言った方がいいのかもしれなくて、組替えを控えたこの時期に、あらためて、ひとつの物語を引っ張る芝居をすることができて、芹香にとってもよかったのではないか、という気がした。 ストーリーを時系列に語ると(脚本上の流れではなく)、物語はデンマークで始まる。大貴族の家柄で、大学生のアベル(芹香斗亜)は、田舎の領地でハンナ(舞空瞳)というリトアニア難民の娘に出会い、一目で恋に落ちる。ひと夏を田舎で共に過ごした二人は子供を授かり、アベルはハンナを連れて王…

続きを読む

台風の中の総選挙

日曜日、大雨のなかを選挙に行ってきた。 投票所は混雑していた。それほどの大行列ではなかったが、なにしろ、私が投票権を得て以来、(一度も棄権したことはなく、期日前投票も一度だけなのに)一回も列に並んだことのない投票所なのだから、異常事態と言えるだろう。 全国的に見れば、戦後二番目に低い投票率なのかもしれないが、台風で選挙どころじゃない地方も多かったと思うし、そもそも昔は田舎の投票率が90%とか、異常な盛り上がりのイベント化していたので、おしなべて見れば今回の選挙の投票率は、V字回復の第一歩だったと思っていいんじゃないかな。いや、そう思いたい。実際、「行かなかった」人はかなり減ったんじゃないかな。あの天候だもの、むしろ、「行けなかった」人があの投票率の原因ではただ、棄権とか、白票とか、故意の無効票は、現政権への白紙委任状なので、「NO」なら槍が降っても選挙に行って他党に投票するしかないことは、もう少し伝わってほしいな、とは思った。 結果、獲得議席数では自民党が圧勝ということになり、テレビなどでは、野党が分裂した漁夫の利の勝利みたいなことが言われている。 しかし、はたしてそうだろうか? たしかに選挙を前に「民進党」は分裂した。共闘すれば勝てる選挙区で、希望の党と立憲民主党が候補者を出したために共倒れになったところもあった。でも、それは良かったのだと思う。 今回の選挙の争点は、「現政権(現体制)の承認or 否認」であり、その裏側に「憲法改正の可否(衆議院の2/3の議席を占めれば、改正案を可決することがで…

続きを読む