「遠い夏のゴッホ」観劇ミニ感想

元スタジオライフの三上俊出演作品、なかなか全部追いかけられないのだが、一応、ぴあで案内してくれるものについては、先行抽選で観るようにしている。その結果…私が観る三上君、女役か変態役なんですけど…いや、べつに、それがイヤってわけじゃないです。似合うし… 今回の舞台「遠い夏のゴッホ」は、以前、松山ケンイチの初舞台公演として話題となった作品らしい。今回は、再演というよりは、全体的に大きくリメイクしたのかな…という感じ。衣装とかも、よりデフォルメ感を強くして、あと女性出演者をヒロインのベアトリーチェだけにした、というのも大きな変更点。(前は、安蘭けいや彩乃かなみが出ていた。)そんなわけで、三上俊くんは、安蘭けいサマの演じていた、クビカリアリのエレオノーラ女王役。 物語は、地中で恋人同士になったユウダチゼミのゴッホ(安西慎太郎)とベアトリーチェ(山下聖菜)。ところが、おっちょこちょいなのか、そもそも自分の年齢を間違えていたのか、ゴッホは本人の予定より1年前に成虫になってしまう。成虫になったセミの余命は一週間。でも、ゴッホは、ふたたびベアトリーチェに会うために、冬を越して生き抜こうと決意する…みたいな感じ。そのために、セミなのに、一度もミンミン鳴かない。 森にはたくさんのいきものが住んでいて、その大半は冬を越せない。同じように飲んだり騒いだりしても、季節と共に死んで行くものたちがいる。さびしいけど、せつないけど、でも淡々とそういう生態系が描かれる。 三上君の演じたエレオノーラは、わがままな女王アリ。と…

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「カントリー」の裏側(1)

ゆうひさんの出演した舞台「カントリー」のメイン感想はこちらです。 さて、今回の公演、セリフのオウム返しが多くて、その中で、話し手と返し手で意味が変わってくる、ズレてくる、というところが、特に印象的で、面白い舞台だな~と思っている。そんな中、ふと気になったリアクションなどを深掘りしてみた結果の共有をしてみたいと思います。では、まず、第1部。芝居の最初から、コリン(大空ゆうひ)はイライラしている。暗い劇場の中、「ぼんやりとした灯りがついたら、真顔で大空ゆうひがハサミを持っている」と、初日からビビった友人がおりました(どうやら、この芝居、R席(舞台の上手側)から見ると、ゆうひさんの怖い姿がたくさん拝め、L席(舞台の下手側)から見ると、ゆうひさんの可愛い姿がたくさん拝めるようでした。幸い、私は、すべてのコーナーからゆうひさんを見ることができて、よかったなぁ~と思ってます。)「道端で倒れていた女性を拾った」とかなんとか言って、リチャード(伊達暁)は、薬物接種中に倒れたレベッカ(南沢奈央)を家に運び込んだらしい。彼女をベッドに運んだ後、とりあえずの処置を終えた体のリチャードは、一心不乱に紙を切っているコリンに声をかける。そして、灯りを点けたり、水を持ってきたりするものの、灯りは十分で、水は変な味がする、と言われてしまう。苛立ちながらも、コリンは、少しずつ、現実に思考を戻し、彼女が生きているか、彼女をどうにかする何かを処方したのか、などと聞く。この「彼女をどうにかするなにか」という言葉、普通なら、彼女を助ける…

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次回雪組大劇場公演出演者

時の流れは止まってくれない。次回雪組大劇場の出演者が発表された。 「ひかりふる路/SUPER VOYAGER!」出演者 (雪組)梨花 ますみ、舞咲 りん、奏乃 はると、早花 まこ、望海 風斗、沙月 愛奈、千風 カレン、透真 かずき、彩凪 翔、真那 春人、笙乃 茅桜、彩風 咲奈、久城 あす、煌羽 レオ、杏野 このみ、朝美 絢、愛 すみれ、桜路 薫、天月 翼、白峰 ゆり、橘 幸、朝月 希和、妃華 ゆきの、真地 佑果、華蓮 エミリ、永久輝 せあ、沙羅 アンナ、叶 ゆうり、綾 凰華、真彩 希帆、星南 のぞみ、叶海 世奈、鳳華 はるな、夢乃花 舞、諏訪 さき、陽向 春輝、野々花 ひまり、彩 みちる、桜良 花嵐、羽織 夕夏、桜庭 舞、希良々 うみ、眞ノ宮 るい、ゆめ 真音、星加 梨杏、汐聖 風美、縣 千、琴羽 りり、日和 春磨、優美 せりな、望月 篤乃、美華 もなみ、朝澄 希、麻斗 海伶、彩海 せら、有栖 妃華、真友月 れあ、一禾 あお、潤 花、涼花 美雨、琥白 れいら、稀羽 りんと、花束 ゆめ、天咲 礼愛、大河 そあ、壮海 はるま、聖海 由侑、愛羽 あやね、莉奈 くるみ、紗蘭 令愛(専科)夏美 よう、沙央 くらま 楽しみには違いないけど、そこに名前のない人を想ふ…

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「カントリー」観劇

ゴーチ・ブラザーズ プロデュース「カントリー」 作:マーティン・クリンプ翻訳:高田曜子演出:マーク・ローゼンブラッド 美術:長田佳代子照明:浜崎亮音響:加藤温映像:松澤延拓衣裳:ゴウダアツコヘアメイク:西川直子通訳:時田曜子演出助手:平戸麻衣舞台監督:足立充章 7月12日~17日という短い期間に東京のみで上演された舞台「カントリー」、イギリス演劇らしい観れば観るほどモヤモヤしてくる作品に、すっかり脳内を支配された一週間でした。今回は、ちょっと書き方を変えて、物語を簡潔に記載して、出演者感想を書き、その後、別記事にて、ぐだぐだあれこれ蘊蓄含めて書いてみようかな…と思います。どうぞ、最後までお付き合いくださいませ。イギリスの田舎。ローマ帝国時代の遺跡(石壁)があるような場所に、穀物倉庫を改装した家がある。住んでいるのは、医師のリチャードと、その妻コリンとその子どもたち(推定で男子5歳、女子2歳足らず。ただし舞台に登場はしない)。リチャードは、かつて都会(特定はされていない)で、医者をしていたが、そこで明るみにはされなかったものの、大きな違法行為をしており、逃げるようにこの田舎にやってきた。田舎では、前からこの土地で医師をしているモリスと連携して村の人々の医療に携わっているらしい。とはいえ、まだ、この地に来て日は浅い。ある晩、リチャードは、一人の若い女を家に連れてきた。彼女は昏睡していた。その日の深夜から芝居は始まる。第1部がMIDNIGHTと書かれていたので、12時頃、第2部がその数分後、第3部…

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早すぎる千秋楽

「カントリー」、終わってしまいました。 もっともっと、謎を解きたかった。もっともっと見つめていたかった。 こんな気持になれて幸せな公演でした。 千秋楽の出のイメージです。 さあ、次は、シャンソンですね。

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今年の「レ・ミゼラブル」MY感想

ミュージカル「レ・ミゼラブル」 作:アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク原作:ヴィクトル・ユゴー作詞:ハーバート・クレッツマーオリジナル・プロダクション製作:キャメロン・マッキントッシュ演出:ローレンス・コナー/ジェームズ・パウエル 翻訳:酒井洋子訳詞:岩谷時子プロデューサー:田口豪孝/坂本義和協力:読売新聞社/日本航空製作:東宝 5月25日から上演されている帝劇の「レ・ミゼラブル」。今年は3回観劇した。とりあえず、3人のアンジョルラスはすべて観たい和音ファンテーヌは必ず観たい海宝マリウスも一度は観たいできれば橋本テナルディエも観ておきたいという希望はすべて叶えられるようにチケットを取った。 前にも書いたかもしれないが、レミゼの超気の毒な展開は、私の趣味ではないので、このミュージカルを観る時は、コンサートを観るつもりで臨んでいる。なので、たとえば、ジャン・バルジャンとジャベールの歌がガンガン響き合ってくれれば、わりと満足している。そして、見た目も重要。そんなわけで、今回のレミゼ、私的には、かなり満足の内容でした アンサンブルも含めて、きっちりと配役スケジュールを発表してくれる、東宝さんのおかげですありがとうございます さて、ジャン・バルジャンは、三人の役替りだが、私が観たのは、ヤン・ジュンモ&吉原光夫。ジャベールも3名の役替りだが、私は、岸祐二&川口竜也を観た。組み合わせ的には、ヤン×岸、吉原×岸、吉原×川口の3パターン。一番ヒリヒリしたのは、吉原×川口の対決だった…

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「他重人格」観劇

「他重人格 Who am I?」 脚本:舘そらみ演出:福島三郎 音楽:瓜生明希葉美術:秋山光洋美術助手:古謝里沙照明:松本大介音響効果:反町瑞穂映像:梅里アーツ舞台監督:宮田公一演出部:青木規雄、河野茜大道具製作:イトウ舞台工房 出演:山崎彬(悪い芝居)、大久保聡美、貴瀬雄二、村井まどか(青年団)、小林瑞紀、野崎数馬(丸福ボンバーズ)、多田直人(キャラメルボックス) 一組のカップルが結婚を決めるシーンから話は始まる。男は、「キミがそうしたいんなら、結婚しよう」みたいなことを言う。投げやりなのか?というと、そうではなくて、相手から求められる自分になるのが、楽なんだという。その性格を生かして、二人はオーダーメイドのペンションを始める。客からは感謝される毎日。しかし、アルバイトに雇った娘がある日、重傷を負い、彼は逮捕されてしまう。彼女の中にある虐待願望に応えた、と男は言う。 タイトルの「他重人格」、多重人格ではない。他人の心の奥の願望に応える人格、それは、罪なのだろうか。彼は、どこで引き返すべきだったのか。 アルバイト役の大久保聡美さん、初めて観たが、とても印象的な女優さん。プログラム写真は、桜一花ちゃんっぽいけど、すらっとした美人で、雰囲気は、白峰ゆりちゃんみたい。狂気を秘めた芝居が目に焼き付いた。

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落語に行ってきました!

落語の会、またまたお誘いをいただき、行ってきました。 「第九回 古今亭文菊 SHINGO十番勝負」 古今亭文菊師匠(本名が“しんご”とのこと)が、大先輩の胸を借りて十番の落語会をやる…という会の九回目。(その昔、「新吾十番勝負」という時代劇があり、それにかけたタイトルだそうです。) 今回のゲストは、春風亭一朝師匠。基本的に前座の方が一席、文菊師匠が一席、ゲストが一席、5分の休憩をはさみ、文菊師匠がもう一席、でお開きとなる構成。 まず、前座の春風亭一猿(いちえん)さんが、「松竹梅」という落語を聴かせてくれた。 職人の松五郎、竹蔵、梅吉の三人が、得意先のお嬢さんの祝言にお呼ばれし、なにか余興をやりたいと、物知りの隠居を訪れる。それで、ちょうど、三人の名前が松竹梅で縁起がいいから、その順に並んで、祝儀の言葉を述べるのがよかろうということになった。そして、松さんが『なったあ、なったあ、蛇(じゃ)になった、当家の婿殿蛇になった』。次に竹さんが『何の蛇になあられた』。最後に梅さんが『長者になぁられた』というオチを教わったものの、実は、梅さん、かなりのおっちょこちょい。本番で、全然違うことを言い出してしまう。最後には、“亡者になぁられた”とまで言ってしまって…という噺。梅吉がイケてないのは重々わかりつつ、おめでたい席なので、松竹梅の順に並んで余興をする、という縛りが、三人を苦境に陥れる。その辺が面白いな~と思う噺だった。短くて、わかりやすい噺だったが、前座の力で、たくさんの人物(少なくとも同時に、ご隠…

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月組新人公演配役決定!

月組公演「All for One」の新人公演配役が決定した。 ダルタニアン(珠城 りょう)… 蓮 つかさ ルイ14世(愛希 れいか)… 結愛 かれん アラミス(美弥 るりか)… 輝生 かなで アトス(宇月 颯)… 朝霧 真 ベルナルド(月城 かなと)… 風間 柚乃 ポルトス(暁 千星)… 礼華 はる モンパンシェ公爵夫人(沙央 くらま)… 海乃 美月 マザラン枢機卿(一樹 千尋)… 暁 千星 アンヌ(憧花 ゆりの)… 麗 泉里 ビゴー(綾月 せり)… 蒼瀬 侑季 ボーフォール公爵(光月 るう)… 佳城 葵 乳母マドレーヌ(夏月 都)… 姫咲 美礼 ディエゴ(響 れおな)… 空城 ゆう イザベラ(玲実 くれあ※)… 清華 蘭 フィリップ(紫門 ゆりや)… 英 かおと シモーヌ(白雪 さち花)… 桃歌 雪 護衛隊ロベール(千海 華蘭)… 周旺 真広 銃士隊ジャン(貴澄 隼人)… 彩音 星凪 父ベルトラン (貴澄 隼人)… 蒼瀬 侑季 シモン(輝城 みつる)… 朝陽 つばさ 姪マリー・ルイーズ(早乙女 わかば)… 紫乃 小雪 護衛隊クロード(輝月 ゆうま)… 蘭 尚樹 モニカ(楓 ゆき)… 妃純 凛 姪ラウラ(晴音 アキ)… 陽海 ありさ 銃士隊ポール(春海 ゆう)… 一星 慧 銃士隊マチュー(夢奈 瑠音)… 音風 せいや 姪オランプ(叶羽 時)… 夏風 季々 銃士隊パスカル(蓮 つかさ)… 蒼真 せれん 王女マリア・テレサ(海乃 美月)… 美園 さくら リュリ(佳城 葵)… 蘭世 惠翔 銃士隊ジ…

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「カントリー」初日

本日、7月12日から7月17日までの短い公演ですが、なかなかイギリス演劇らしい、面白い心理劇です。ゆうひさんを敵に回したら恐ろしい…それに挑む二人の役者たちに乾杯 そして、もちろん、またまた新境地のゆうひさんにも、乾杯

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