「アジアン・エイリアン」観劇

「アジアン・エイリアン」 作・演出:古城十忍 美術:礒田ヒロシ照明:磯野眞也音響:黒澤靖博舞台監督:尾崎裕衣裳:友好まり子映像:後藤輝之演出助手:白井なお舞監助手:有坂美紀、小山広寿衣裳助手:増田和大道具:イトウ舞台工房 伊藤幸夫小道具:安田惣一、原田佳世子特殊効果:(有)インパクト 緒方宏幸運搬:加藤運輸(有) オープニングアクトはとても変わっている。喪服の登場人物たちが、舞台奥から登ってきて、いくつかのパフォーマンスを見せる。日の丸を花瓶の水に溶かすと、どんどん水の色が赤くなっていったり、かき混ぜると白くなったり…なにやら不思議な科学実験のよう。人々が重力に逆らうように消えていって、本編が始まる。 いきなり病院の霊安室前。さきほどのパフォーマンスで、出演者がここに這い上がってきたせいか、手すりがあるせいか、屋上に霊安室があるような感じがする。そこに項垂れている境田健吾(奥村洋治)。娘同様に可愛がっていた姪が婚約者と事故死したのだ。ところが、婚約者の岬邦彦(山田悠介)の姉・顕子と名乗る女性(関谷美香子)が現れ、その遺体が弟のものではない、と言い出して…。境田は、何が何だかわからなくなっていた。岬は、境田の事務所で契約カメラマンをしていた。彼は「見えざる顔」という個展を開こうとしていた。そこに写っていたのは、すべて、在日韓国・朝鮮人たちの写真だった。境田は、その中に、事務所の一人、金山孝弘(多田直人)の写真を見つける。偶然撮影しただけ、と言う岬だったが、実は、金山もその一員だった。なんとな…

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