2018年ラインアップ発表 その2

2018年大劇場公演のラインアップ、第2弾が出てましたね。 月組公演 主演・・・珠城 りょう、愛希 れいか     宝塚大劇場:2018年2月9日(金)~3月12日(月)東京宝塚劇場:2018年3月30日(金)~5月6日(日) ミュージカル・プレイ 『カンパニー -努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)-』 ~原作 伊吹 有喜『カンパニー』(新潮社刊)~ 脚本・演出/石田 昌也 さっそく、原作本をゲットしましたわりとありがちな「社命で異業種に飛び込むことになった普通のサラリーマン」もの。次から次へとトラブルが降ってくる。読んでいない方、まあ、あれです。『王妃の館』をずんちゃんの役を主演にしたような話です。(どやっ)そう、主人公はサラリーマン。これをたまきちが演じるわけですね。でもって、世界的プリンシパル高野悠というのが、みやるり…なのかしらでもって、バレリーナの高崎美波がちゃぴ…どっちかというと、陸上界の「はるみち」と言われながら(誰も言ってません)、ランナーに逃げられたトレーナー女子がすごーく気になるんですけど…私なら彼女をちゃぴに振るんだけどなぁ…(トップコンビの間に恋愛がなくなる…)石田先生が、悪い面出さずに、真面目に舞台化してくれることを願います。 ショー・テント・タカラヅカ 『BADDY(バッディ)-悪党(ヤツ)は月からやって来る-』 作・演出/上田 久美子 宝塚史上、最高に長いタイトルなんじゃないかしらお稽古始まる前の神事で、宮司さんがこの…

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東京宝塚劇場雪組新人公演(幕末太陽傳)超ミニ感想

雪組東京新人公演「幕末太陽傳」を観劇した。 新人公演担当は、栗田優香先生。初めて、担当の新公を観る気がする。 いつもは、サクサクと観劇し、サクサクと感想をアップするのに…いやー、なんというんでしょうか…スピード感についていけない…(寄る年波…)そもそも、本公演がチケ難であまり観られないので、本役が誰の新公が誰みたいな部分を把握しきれず…それゆえに、ますます新人がわからず…本当にただぼーっと観ているだけになってしもうた… そんな中、もう、一言言えるとしたら、永久輝せあ、すげぇということだけです。 もちろん、演技も度胸満点だし、心の感じられる永久輝らしい佐平次だと思ったのですが、永久輝だけの特長だなーといつも思うのは、終演後のご挨拶。気持の伝わる心のこもった挨拶は、毎回すごいと思っている。もちろん、どの組のどの生徒も、心のこもった挨拶をしていると思う。あの瞬間、感謝以外の気持ちを持って舞台に立つ人間はいないだろうし。でも、「心がこもってるなぁ」だけでなく、稽古中の気持ちや、終演後の今の気持ちや、これからへの気持ちを、ちゃんと言葉で伝え、それを客席の一人一人に届ける力のある生徒は、ちょっとほかに見当たらない。(トップさんの初日・千秋楽・貸切・ツアーの挨拶は、営業面が強くなるので、気持ちを伝えるというよりは、如才ないことが大事なので、ちょっと違う側面があるし、小劇場の主演さんは、感無量の気持ちが伝わればそれでいいものなので、こういう技量は、新公の主演者に特有のスキルだとは思うけれども。) このま…

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「ハンナのお花屋さん」配役決定!

花組ACTシアター公演「ハンナのお花屋さん」の配役が発表されました…が、植田景子先生の思い入れが強すぎたのか、前代未聞の「PDF」による配役発表となりました。 クリス・ヨハンソン(Chris Johansson)…明日海 りお <ロンドのハムステッヒーで「Hanna’s Florist」を営み、将来を期待されるデンマーク人の新進フラワーアティスト> ミア・ペ ルコヴィッチ(Mia Mia Perković Perković )…仙名 彩世<旧ユーゴスラビアのクロアチアから、内戦の傷跡が残る故国を離れ、新たな人生を見つける為にロンドンにやってきた娘> DENMARK in 1970’s~ アベル・ヨハンソン(Abel Johansson Johansson )…芹香 斗亜<王室ともつながるデンマーク名門貴族の長男で、代々続く造船業大会社を継ぐ責務を背負っている。花屋の娘ハンナと恋に落ち 、クリスが生まれる>ハンナ(Hanna)…舞空 瞳 <第二次世界大戦後、リトアニアからデンマークに逃れてきた移民の娘。アベルと出会い、愛し合ってクリスが生まれる>小さなクリス(Little Chris)…茉玲 さや那 <幼い頃のクリス> LONDON in 2014 ~Hanna’s Floristで働く人々~ジェフ・ウォーレン(Jeff Waren Waren)…瀬戸 かずや<経営・営業マネージメント担当。英・リバプール出身。クリスの大学時代からの旧友>チェン リ(丞琳)…美花 梨乃<フローリスト。 台湾出…

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「アジアン・エイリアン」観劇

「アジアン・エイリアン」 作・演出:古城十忍 美術:礒田ヒロシ照明:磯野眞也音響:黒澤靖博舞台監督:尾崎裕衣裳:友好まり子映像:後藤輝之演出助手:白井なお舞監助手:有坂美紀、小山広寿衣裳助手:増田和大道具:イトウ舞台工房 伊藤幸夫小道具:安田惣一、原田佳世子特殊効果:(有)インパクト 緒方宏幸運搬:加藤運輸(有) オープニングアクトはとても変わっている。喪服の登場人物たちが、舞台奥から登ってきて、いくつかのパフォーマンスを見せる。日の丸を花瓶の水に溶かすと、どんどん水の色が赤くなっていったり、かき混ぜると白くなったり…なにやら不思議な科学実験のよう。人々が重力に逆らうように消えていって、本編が始まる。 いきなり病院の霊安室前。さきほどのパフォーマンスで、出演者がここに這い上がってきたせいか、手すりがあるせいか、屋上に霊安室があるような感じがする。そこに項垂れている境田健吾(奥村洋治)。娘同様に可愛がっていた姪が婚約者と事故死したのだ。ところが、婚約者の岬邦彦(山田悠介)の姉・顕子と名乗る女性(関谷美香子)が現れ、その遺体が弟のものではない、と言い出して…。境田は、何が何だかわからなくなっていた。岬は、境田の事務所で契約カメラマンをしていた。彼は「見えざる顔」という個展を開こうとしていた。そこに写っていたのは、すべて、在日韓国・朝鮮人たちの写真だった。境田は、その中に、事務所の一人、金山孝弘(多田直人)の写真を見つける。偶然撮影しただけ、と言う岬だったが、実は、金山もその一員だった。なんとな…

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「THE SMALL POPPIES」観劇

「THE SMALL POPPIES」  by DAVID HOLMAN 上演台本・演出:倉田淳 美術:乘峯雅寛舞台監督:倉本徹照明:日下靖順(ASG)照明オペレーター:伊藤直子音響:竹下亮(OFFICE my on)衣裳:竹内陽子衣裳協力:井口茉実ヘアメイク:MUU大道具:俳優座劇場演出助手:宮本紗也加宣伝美術:嶋倫子語学協力:ギリシャプラザ、東洋大学教授 村田奈々子、東京中央日本語学院、HOANG THI QUYNH、中村祐介、マイデスク:武井啓子、平河夏制作:大野純也、三浦未来制作協力:東容子、小泉裕子Special Thanks:天沼蓉子 オーストラリアを舞台に、小学校入学前の子供たちを主人公にした芝居に、男優だけの劇団スタジオライフが挑戦するといえば、刺激的に聞こえるかもしれないが、今やスタジオライフにとって、年齢や性別は、「演じる」上で、それほど大きな要因にはなっていない。彼らは魂を演じる劇団なのだ。 今回の公演もWキャストになっている。(コアラ/カンガルーの記載順。シングルキャストは黒字)主人公のクリント(山本芳樹/岩崎大)は、5歳の子ども。オーストラリアでは、5歳になると、小学校入学前の準備学校に入学する。作品では、「大きい子のがっこう」と呼ばれている。クリントは、揺れている。両親は離婚、母親(仲原裕之)には既に新しいボーイフレンドができたようだ。その上、一緒に大きい子のがっこうに行くつもりだった、唯一の親友・マリア(緒方和也/江口翔平)は、引っ越してしまうという。それでも…

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「六月大歌舞伎」その3

「その2」はこちらです。 では、最後の演目、行きますね。 長谷川伸 作村上元三 演出「一本刀土俵入」 二幕五場  長坂元弘 美術  長倉稠 美術 この作品は、昭和6年初演なので、新歌舞伎の系譜に連なる作品のようです。なので、演出がいます。歌舞伎作品だけど、内容的には、明治以降の演劇的というか。もう普通の芝居にしか見えない。内容的にも新派みたいなお話です。 利根川沿いの宿場、取手から芝居は始まる。安孫子屋という茶屋旅籠の前、船戸の弥八(市川猿弥)が暴れているところを、旅籠の二階から眺めている酌婦のお蔦(市川猿之助)。弥八は、お蔦にも食ってかかり、通りがかった相撲取りの駒形茂兵衛(松本幸四郎)にも言いがかりをつける。そしてお蔦からは茶碗の水をかけられ、茂兵衛からは頭突きを食らわされて去って行く。その後、ふらふらしている茂兵衛にお蔦が声を掛けると、なんと腹ペコなのだという。お蔦は、手持ちの金子を与えて、立派な横綱になるようにと、声を掛ける。 その後、利根の渡しのところで、船に乗り遅れた茂兵衛は、食べ物を手にしているところを追ってきた弥八らに捕まるが、逆に川へ投げ込んだりしてしまう。その時、弥八がお蔦を「父無し子を産んだ女」と言ったため、恩あるお蔦を侮辱したと思い、さらに弥八をボコボコにしてしまう。 それから十年以上経ったある日、博徒となった茂兵衛が付近へやってくる。船頭らに安孫子屋のお蔦のことを聞くが、誰も覚えていない。お蔦は、今、飴売りをして娘を育てていた。そこへ、この辺りの大親分、儀十(…

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宝塚花組大劇場公演

大劇場公演「邪馬台国の風/Sante!!」を観劇してきました。例によって箇条書きで公演感想を書きたいと思います。 劇場の冷房が効きすぎていて、非常に寒かったが、もしかしたら、冷房だけのせいではないかもしれない 中村暁先生の宝塚大劇場オリジナル芝居は、21世紀になって初めて…ということになる。前回のお芝居、「麗しのサブリナ」は原作ものだし、その前の「大海賊」はオリジナルだが、東京公演しかない、という変則的な上演だった 2017年、今世紀初のオリジナル芝居は…淡々と物語が進み、いつから盛り上がるのかな~と思っていたら、緞帳が降りてビックリという、「愛と死のアラビア」方式だった ショーは、さすが、藤井大介先生というか、「Cocktail-カクテル-」好きにはたまらない、ちょっと懐かしい感じのショー プロローグの美女たち(男役5名)の美脚を覗かせた場面は、懐かしい岡田先生のレビューを思い出すような雰囲気もあり、藤井先生の円熟を感じた。これからも芳醇なワインのようなショー作りをしていただきたいです

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「屠殺人ブッチャー」観劇

「屠殺人 ブッチャー」 作:ニコラス・ビヨン翻訳:吉原豊司演出:小笠原響 美術:内山勉照明:松井真澄照明操作:松本由美音響:井出比呂之音響操作:坂本柚季衣裳:樋口藍演出助手:杉林健生舞台監督:村田明制作担当:栗原暢隆、松井伸子著作権:GARY GODDARD AGENCYプロデューサー:名取敏行主催:名取事務所 3月に大感動した「エレファント・ソング」の作者、ニコラス・ビヨンの作品を再び上演すると聞き、行ってきました。 トロントあたりの警察署。口をきこうとしない老人(軍服着用)をめぐって、警察官と弁護士が押し問答をしているところから始まる。クリスマスイブの夜。セットに小さなクリスマスツリー。これは、「エレファント・ソング」にも登場したツリーじゃないかしら警官(斉藤淳)が言うには、男(高山春夫)はチンピラ二人がここに連れて来たのだが、その首に奇妙な工具が掛けられていて、その先に、弁護士ハミルトン・バーンズ(佐川和正)の名刺が付いていたのだという。その奇妙な工具は、肉屋が塊肉を切るのに使うものだという。男のために、今、どうやら彼の母国語らしいラヴィニア語の通訳を呼んでいるので、それまで待ってほしいと言う警官に、弁護士は、この人に面識はないのだから、帰してほしいと言い、押し問答になる。警官は強引な男で、ハミルトンに、自分の娘のためにサンタクロースになって返事をしてほしいとか、無茶振りをしてくる。そうこうするうちに、通訳の女、エレーナ(森尾舞)がやってくる。ケガをしているらしい男の手当てをし、自分…

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「君が人生の時」観劇

新国立劇場 演劇2016/2017シーズンJAPAN MEETS…―現代劇の系譜をひもとく―XI 「君が人生の時」The Time of Your Life 作:ウィリアム・サローヤン翻訳:浦辺千鶴演出:宮田慶子 美術:伊藤雅子照明:沢田祐二音楽:かみむら周平音響:上田好生衣裳:半田悦子ヘアメイク:川端富生アクション:渥美博振付:RON×II演出助手:城田美樹舞台監督:福本伸生 歌唱指導:伊藤和美イタリア語指導:デシルバ安奈 新国立劇場中劇場で上演された「君が人生の時」を観劇した。舞台は、1939年のサンフランシスコ。港に近い安酒場(サルーン)を舞台にした、出入りする人々の群像劇。散文詩のような舞台なので、その世界に入り込めないと、わけがわからないまま、終演を迎えることになるかもしれない。 主人公は、このサルーンの一角で朝から晩までシャンパンを飲んでいる男、ジョー(坂本昌行)。坂本くんを観るのは、「ボーイ・フロム・オズ」以来じゃないかなぁ~このジョーが、とっても謎キャラ。お金はたっぷりとあるらしい。でも、仕事はしていない。それでいて、色々と顔がきく。ずっと座っているが、1幕の終わりに立ち上がる。それで、彼が足を引きずっていることに観客は気づく。しかし、この足についての説明はない。店の主人、ニック(丸山智己)は、ジョーのために安酒場なのに、シャンパンを仕入れている。丸山さん、たしか、スタジオライフの「OZ」に客演したことあるよねネイト役で。あら、なんか、オズ繋がり…(笑)そして、この安酒…

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「六月大歌舞伎」その2

続きです。「その1」はこちらをご覧ください。 河竹黙阿弥 作「曽我綉侠御所染」  御所五郎蔵 二幕 今回の舞台、上手側に仮花道が設えられていた。どこで使うのかな…と思ったら、この二つ目の作品でした。 京、五條坂仲之町の廓。上手仮花道に、男伊達・御所五郎蔵(片岡仁左衛門)と、その一党がずらっと並び、下手花道に、国を追放された武家の星影土右衛門(市川左團次)と、その一党がずらっと並ぶ。そうして、それぞれ割りゼリフであーだこーだとやり合う。おおー、美しいと眺めていると、衣装の模様が、「大万大吉大吉」という家紋になっている人を発見「大一大万大吉」ではないんだけど、気になる…最初のうちは、追放された武士の土右衛門と、かつて武士で今は侠客の五郎蔵が張り合っているだけに見えたが、この二人、実は深い因縁があったらしい。二人の一触即発は、廓の主人(中村歌六)によって、一度は仲裁される。五郎蔵は、武士だった頃に、主君の腰元だった皐月(中村雀右衛門)と恋仲になったが、温情によって死罪を免れ(この時代、不義=職場恋愛は死罪)、二人して京に上って、皐月が遊女となっている。とはいえ、夫がいる身…と、誰にも身を許していないので、馴染みの客はいない。そこに足しげく通っているのが、土右衛門。一方、五郎蔵の死罪を許してくれた元の主君、今は、廓通いに嵌まってしまい、皐月の朋輩、逢州(中村米吉)に入れあげ、二百両の借金を作ってしまっていた。元・主君の危機を救うべく、五郎蔵は、皐月になんとか二百両を用立ててほしいと、手紙を送る。で、…

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