宝塚歌劇月組博多座公演「長崎しぐれ坂」観劇

宝塚ミュージカル・ロマン「長崎しぐれ坂」―榎本滋民作「江戸無宿」よりー 脚色・演出:植田紳爾作曲・編曲・録音音楽指揮:吉田優子編曲:鞍富真一振付:花柳壽應、若央りさ殺陣:菅原俊夫装置:関谷敏昭衣装:河底美由紀照明:勝柴次朗題字:望月美佐音響:加門清邦小道具:下農直幸演技指導:立ともみ歌唱指導:ちあきしん演出補:鈴木圭舞台進行:日笠山秀観 2005年星組大劇場公演の再演作。当時は、轟悠の大劇場“降臨”公演のただ中。2003年・花組「野風の笛」、2004年・雪組「青い鳥を捜して」に続く、第3弾がこの「長崎しぐれ坂」だった。そして、この公演は、伝説のトップ娘役、檀れいのサヨナラ公演でもあった。今回は、なんと12年ぶりの再演とのこと。ちなみに12年前の感想はこちらです。同じ役で出演する轟には、茫然とするしかない。さて、江戸時代の長崎には、大きな使命があった。鎖国を掲げた日本の中で、唯一、外国との交易のための港が開いていたのだ。そして、そこには、交易相手の外国人居留区があった。その中は、租界のような仕組みになっていて、治外法権。日本の役人もむやみに手が出せなかった。それを狙って、各地の無宿者が、ここに潜り込んでいた。伊佐次(轟悠)もその一人。そして、彼の幼なじみの岡っ引きで、だからこそ、伊佐次を人の手に渡したくない卯之助(珠城りょう)も、立場のないただの下っ端になることを承知で長崎に移り住んだのだった。人に捕えられるくらいなら、自分の手で捕縛したい…と。でも、それは積極的な感情ではなくて、いつまでもこん…

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