「ズートピア」

WOWOWで放映されたのを録画していて、先日、ようやく見ることができた。 で、見て…嵌まりました… これ、すごいね、この話。 「あらしのよるに」の世界観から、さらに百歩くらい進化した世界「ズートピア」。そこでは、動物たちが、大きさや肉食・草食なんてこととは関係なしに平和に暮らしていた。でも、平和に共存することと、「差別がない」こととは、全然違う次元の問題で… ウサギなのに、警察官になりたいと思った主人公のジュディ・ホップは、様々な差別や偏見と戦い、警察学校を首席で卒業して、警察官になる。でも、そこにやっぱり、差別はあって、最初の仕事は交通違反の取締り。でもジュディはへこたれない。そんなジュディが、ちょっと扱いづらいキツネのニック・ワイルドに出会ったことで、彼女は、自分の中の偏見や差別を自覚し、さらに成長していく。 すごいな。これ、動物に託した人間界の物語だな、と思った。自分の内なる差別や偏見―無意識の発言に傷つく人がいるかもしれない。そう、このブログだって…そういうことを改めて気づかせてもらえる、貴重な映画だった。 最後にとってもブラックな話をさせてもらうと。肉食動物が草食動物を食べられないとしたら、彼らは何を食べているんだろうあ、そういえば、ズートピアに出てこない、現在は地球に溢れている動物がいたっけな。すごい迷惑なあの動物はどうしたんだろうほかの動物たちに駆逐されて、貯蔵されて肉食獣たちの食料になってるのかしらね。73億くらい個体があったから、だいぶ保つと思われ…

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「成スベキカ」観劇

「成スベキカ」 脚本・演出:MIZUKI(てふてふ組)舞台監督:大河原敦音響:福西理佳(零’s Record)照明:(株)ライトスタッフ宣伝デザイン:小川麻里奈制作:森有紗美術:徳満明子、よしの飛鳥、塚崎綾、大谷瑞紀衣装:鷹司翠玉当日運営:大森晴香殺陣:米山勇樹(偉伝或~IDEAL)主催:MIZUKI×kasane企画 シェイクスピアの「ハムレット」を徳川初期の日本に移し、再構築した作品。元和9(1623)年、徳川家光が将軍になった年、日本のどこか山奥にある架空の国“色彩(いろどり)国”で、物語は始まる。 その色彩国、人口の七割が女性、という状況が長く続いていた。そういうこともあって、長く女性が当主になるというしきたりが続いていたが、幕藩体制が整ってくると、些細なことでお取り潰しになったりするので、都へ留学していた当主の長男・雪之丞<ハムレット>(塚崎綾)は、国のしきたりに疑問を感じたりしている。そんな雪之丞のところへ、当主である母・瑠璃姫<先王・ハムレット(女役)>(徳満明子)からの帰還命令が下り、雪之丞は、都に伴っていた乳母子の犬君<ホレイショー(女役)>(妃桜みおん)と一緒に帰国の途に着く。しかし、その途上、瑠璃姫の訃報が二人にもたらされる。流行病とのことで、雪之丞は、遺体に対面することも叶わなかった。次期当主には、しきたり通り、雪之丞の妹・茜姫<オフィーリア>(小川麻里奈)が就くかと思われたが、雪之丞の父・三条桐ノ院常盤の君<ガートルード(男役)>(愛生)が、妻である当主・瑠璃姫の妹…

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ミュージカル「I LOVE A PIANO」観劇

「I LOVE A PIANO」 -THE MUSICAL- Music and Lyrics by IRVING BERLIN Conceiced by RAY RODERICK and MICHAEL BERKELEYMusical Arrangements by Michael BerkeleyWorld Premiere Production Produced by Tri-Arts,Sharon,CT 上演台本・訳詞・演出:小林香音楽監督:大貫祐一郎振付:木下菜津子 美術:土岐研一照明:奥野友康音響:山本浩一衣裳:四方修平ヘアメイク:川端富生歌唱指導:大嶋吾郎タップ振付:本間憲一演出助手:落石明憲振付助手:権藤あかね稽古ピアノ:伊藤祥子舞台関東:田中力也 アーヴィング・バーリンの楽曲を用いたジュークボックス・ミュージカル。ユダヤ系ロシア人の青年、レオンがティンパン通りの楽器店に就職し、別離や戦争を経て、大作曲家になるまでを描いている。出演者は、ピアニストを除いて男性三名、女性三名。この三人の男性キャスト(屋良朝幸・上口耕平・鈴木壮麻)が、それぞれの年代のレオンを演じる。 そして、おそらく日本版だけのキャラクターとして、その恋人役を三人の女性キャスト(小此木まり・吉沢梨絵・樹里咲穂)が演じている。ラブラブの恋人として、離れ離れの人生を送りながらふと思い出す相手として、そして、孫がいる年になっての再会シーンとして。 そこにひとつの仕掛けがあって、レオンは、この楽器店にあったピアノに…

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星組次回大劇場公演出演者

次回星組大劇場公演の出演者が発表された。 (星組)万里 柚美、美稀 千種、紅 ゆずる、壱城 あずさ、七海 ひろき、如月 蓮、白妙 なつ、天寿 光希、音波 みのり、大輝 真琴、愛水 せれ奈、輝咲 玲央、瀬稀 ゆりと、紫月 音寧、夢妃 杏瑠、夏樹 れい、十碧 れいや、麻央 侑希、漣 レイラ、礼 真琴、ひろ香 祐、紫 りら、瀬央 ゆりあ、音咲 いつき、綺咲 愛里、紫藤 りゅう、白鳥 ゆりや、拓斗 れい、朝水 りょう、桃堂 純、華鳥 礼良、彩葉 玲央、綾 凰華、有沙 瞳、天華 えま、澪乃 桜季、夕渚 りょう、天希 ほまれ、湊 璃飛、天路 そら、小桜 ほのか、遥斗 勇帆、蒼舞 咲歩、七星 美妃、桜里 まお、隼 玲央、天彩 峰里、希沙 薫、朱紫 令真、二條 華、極美 慎、きらり 杏、煌 えりせ、蓮月 りらん、碧海 さりお、颯香 凜、夕陽 真輝、天翔 さくら、彩園 ひな、麻倉 しずく、草薙 稀月、星蘭 ひとみ、天飛 華音、咲城 けい、都 優奈、紅咲 梨乃、奏碧 タケル、水乃 ゆり、澄華 あまね、鳳真 斗愛、瑠璃 花夏、侑蘭 粋、星咲 希、紘希 柚葉、羽玲 有華、音佳 りま、瑛美花 れな、孔雅 といろ(専科)凪七 瑠海ようやく、かちゃ(凪七瑠海)が大劇場に帰ってくるのね 最初は、やはり、上級生トップのいる組の方が、気を遣わずに済むという配慮なのかな。でも、次からはそうも言ってはいられない。そして、星組には、凪七同期の3番手、七海ひろきがいる。二人をどう遇するか、その辺も気になるところ。 原田先生のお手並みに…

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「HEADS UP!」再演配役発表

文学座の「青べか物語」を観劇しました。感想はこちらです。 今年の年末から来年にかけて、神奈川・東京を始め、全国で上演されることになった「HEADS UP!」(再演)の出演者が発表された。 一昨年の初演の出演者と合わせて表にしてみると… 役名 役どころ 今回配役 前回配役 加賀美賢治 舞台監督 哀川 翔 哀川 翔 新藤祐介 新人舞台監督 相葉裕樹 相葉裕樹 久米長一郎 演出部 橋本じゅん 橋本じゅん 本庄まさこ 制作 青木さやか 青木さやか 佐野慎也 アルバイト演出部 池田純矢 入野自由 小山田丈太郎 老俳優 今 拓哉 今 拓哉 滝幸男 演出部 芋洗坂係長 芋洗坂係長 九条六平 演出部 オレノグラフィティ 上原理生 飯塚浩二 照明 陰山 泰 陰山 泰 児玉哲也 音響 岡田 誠 岡田 誠 海老沢克美 演出家 河本章宏 河本章宏(川本昭彦) 池田桃子 小道具 新良エツ子 新良エツ子 立川エリカ 演出助手 井上珠美 井上珠美 朝倉まき 衣裳助手 外岡えりか MINAMI 真昼野ひかる 女優 大空ゆうひ 大空ゆうひ(祐飛) 熊川義男 劇場付雑用係 中川晃教 中川晃教 アンサンブル - 福永吉洋 大竹浩一 森内翔大 谷 …

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花組別箱公演一部の配役発表

花組の次回大劇場公演終了後に上演される別箱公演2公演、それぞれ、主な配役が発表された。まだ振り分けは発表されていないが、スター級の配役が発表されたことで、この秋の過ごし方が決定した方も多いと思う。 では、まず、トップコンビが出演するACT公演『ハンナのお花屋さん』から。景子先生らしい細かい設定も含めてご覧ください。 クリス・ヨハンソン(ロンドンのハムステッドヒースで ’Hanna’s Florist’を営み、将来を期待される デンマーク人の新進フラワーアーティスト)…明日海 りお ミア・ベルコヴィッチ(旧ユーゴスラビアのクロアチアから、内戦の 傷跡が残る故国を離れ、新たな人生を 見つける為にロンドンにやってきた娘)…仙名 彩世 アベル・ヨハンソン(王室ともつながるデンマーク名門貴族の 長男で、代々続く造船業の大会社を継ぐ。 第二次世界大戦後、リトアニアから逃れてきた 移民の娘と愛し合い、クリスが生まれる)…芹香 斗亜 キキちゃんがみりおくんのお父さん…なんですね。そして、父子二代揃って、難民の娘と恋に落ちる…と。はてさて、お父さんは、生きて(老け役もやって)息子に人生を語るのか、それとも、二人の人生は交錯することなく、それぞれの次元がテレコで展開するのか…私の希望としては前者なのですが…。 一方、原作のあるドラマシティ公演『はいからさんが通る』の配役はこちら。 伊集院 忍… 柚香 光 花村 紅緒… 華 優希 青江 冬星… 鳳月 杏 鬼島 森吾… 水美 舞斗 北小路 環… 城妃 美伶 藤枝…

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「美女と野獣」

実写版「美女と野獣」、ようやく鑑賞できました ディズニー映画、好きなんですけど、なんか見そびれるんですよね。しかし、今回は、ちゃんと行ってきました 先日の「キャロル」ときめきアクティブ上映会以来の映画だったので、いい場面で、ついつい発声してしまいそうになり… それくらい、入り込んだ映画でした 私は、今回、吹替え3D版を見ました。ミュージカルファンとしては、日本のミュージカル界の名だたるスターが吹替えを担当している吹替え版をまず見なければ…と思ったので。3Dは、時間的に見られるのが3D版だった…という消極的な選択です。 で、私は、演劇は言うに及ばず、映画を見ても、たいてい文句を言っているわけですが… この「美女と野獣」、100点満点です 文句、浮かびません。なんか幸せすぎました 悔しいから(笑)、もう一度か二度見て、じっくりと、分析してみようと思います。 ちなみに、テレビで「シンデレラ」を見て、特殊メイクのヘレナ・ボナム・カーター様にテンション上がったように、今回の「美女と野獣」には、特殊メイク…ってか、もはやアニメ化したエマ・トンプソン様が出演しています。人間としてのシーンは少ないですが、それでも登場が嬉しかったです。あらためて、ケネス・ブラナー(「シンデレラ」監督)の女優遍歴が羨ましすぎる…

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2018年ラインアップ発表 その1

とうとう2018年のラインアップが登場しました。は…はやいっ 2018年 公演ラインアップ【宝塚大劇場、東京宝塚劇場】 2017/05/23 2018年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【宝塚大劇場】【東京宝塚劇場】の上演作品が決定しましたのでお知らせいたします。 花組公演 主演・・・明日海 りお、仙名 彩世 宝塚大劇場:2018年1月1日(月)~2月5日(月)東京宝塚劇場:2018年2月16日(金)~3月25日(日) ミュージカル・ゴシック 『ポーの一族』 原作/萩尾 望都「ポーの一族」(小学館フラワーコミックス) 脚本・演出/小池 修一郎 “同作品をミュージカル化したいと夢見て宝塚歌劇団に入団した小池修一郎が、1985年に「いつか劇化させて欲しい」と申し出て以来30年余り、萩尾望都があらゆる上演希望を断り続けた幻の舞台が遂に実現する”という、小池修一郎ありきな解説文が面白くて仕方がないですが、永遠の14歳=エドガーをトップスターがどう演じるのか、今から興味津々であります。 しかし…東宝で2年連続上演の『王家の紋章』といい、花組DC公演『はいからさんが通る』といい、今でも宝塚のドル箱作品『ベルサイユのばら』といい、1970年代少女マンガの威力たるや…なんなんでしょうね、これ…

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鉄子の部屋

決して撮り鉄ではなかったのですが…九州の鉄道って、ほんとに素敵なんですよね。それで、ついつい、“鉄子”になってしまった記録を載せておきます。 乗換の熊本駅です。時間があったので、ちょっと外をお散歩してきました。 駅舎の壁面には、くまモンが描かれているんですね。 ちなみに、駅構内のショップに向かう階段は、くまモンが段に描かれています。可愛い 熊本駅でずいぶん長い時間待たされることになったわけですが、あちこちで癒されて、全然疲れを感じませんでした。くまモン、ありがとう JR肥薩線普通列車に乗って、出発。熊本からは、八代までは、列車の数も普通にあるのですが、そこから先に行く列車が少ないようです。ただ、観光列車はとても充実していて、土日は豪華SLも走っているそうです。 次の写真は、SL列車の案内図。JR九州は、駅も列車もお客さんを楽しませようという雰囲気に溢れていて、そこがステキなんだと思います 次の写真は車窓からの風景です。球磨川と周囲の山々の景色が、美しすぎて、ぼーっとなってしまいました。 そんな私の視界に飛び込んできたのが、この列車でした。 特急「かわせみ やませみ」号。 今年の3月から走り始めたJR九州おススメの列車ということで、平日にもかかわらず、全然チケットがありませんでした。これだと特急なので、かなり早く到着するんですけどね。しかし、乗っている列車を撮影はできない。こうして駅で出合って写真撮れてよかったかも。ちなみに、このブルーの車両が「かわせみ」号です。 こちらは…

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文学座アトリエ公演「青べか物語」観劇

文学座5月アトリエの会 文学座創立80周年記念「青べか物語」 原作:山本周五郎脚色:戌井昭人演出:所奏 装置:石井強司照明:阪口美和音響:藤田赤目衣裳:宮本宣子振付:新海絵理子舞台監督:寺田修制作:白田聡、最首志麻子 「青べか物語」の舞台を観るのは、黒テント公演以来。その時の感想は、こちらです。 あれから5年数ヶ月が経過し、当時の黒テントの劇場はなくなり、出演していた斎藤晴彦さんも鬼籍に入られた。そして、今回、「青べか…」上演を果たしたのは、文学座。文学座で「青べか…」か…と、少し驚いたが、劇団の特色なのだろうか、黒テントとはまったく違う作品になっていた。 黒テントの時に私が強く感じたのは、「猥雑さの中にある庶民の力強さ」だった。しかし、今回の文学座には、猥雑さはまったく感じられなかった。そもそも「青べか物語」という小説は、足掛け3年、「浦粕」というまちに移り住んだ“蒸気河岸の先生”と呼ばれる青年が体験した日々の出来事を描写した短編連作のような形の小説。どのエピソードを拾い、どのエピソードを捨てるか、で作品の印象は大きく変わる。若者たちがあけっぴろげに性を謳歌するようなエピソードは回避され、色っぽいエピソードも、「スケベ心で飲み屋に行き、べろべろに酔わされた挙句、10万円以上の請求書を突きつけられた男の話」とか「心中しようとした男女のその後の話」とか「食事処の娘と客の間の誤解とその後」だったかな。全体的に文学的な印象が強かった。冒頭のエピソードが「砂粒が生きている」という哲学的な問答だっ…

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